もしも、あなたが砂浜の波打ち際を走っていたとすると、波で濡れた部分と乾いている部分では、走りやすさが全く違いますよね。また、雨で濡れた芝は滑りやすく思いっきり走れないでしょう。馬だって同じです。
だから、JRAは馬場状態を「良、稍重、重、不良」と四段階に分けて発表しています。なんて親切なんでしょうか!
…と、ここで満足してはいけません。同じ良馬場でも開幕週の競馬はタイムが早くなりがちですよね。また、同じ重馬場でも、稍重から重になったばかりの重と間もなく不良になる重では全く別物です。
ですから、たつた四つの馬場状態では競馬の真実には辿りつけないのです。もっと詳しく馬場状態を知る必要が我々にはあるのです。
では、どうするのか?
我々には、既に「しんがり指数の計算式」と「基準タイム」があります。
また、1000万戦勝馬のしんがり指数は100であり、500万戦のそれは90であることは知っています。1500万は芝で105〜110、ダートで110〜115。オープン戦は芝で110〜125、ダートで115〜130になります。
これを「クラス基準」と呼びます。
この「クラス基準」とレースの走破タイムを比較する事によって、その差がそのレースの「馬場差」となり、芝レース(未勝利戦除く)は最低3レースありますから、この3レースの平均を計算して、それをその日の芝の「馬場指数」とします。
簡単ですね…嘘です!
全レースで馬が全速力で走しってくれるなら良いのですが、世の中にはスローペースのレースが多数存在します!これがスピード指数全盛期を終焉させました。
例えば、ダービーの走破タイムが古馬500万戦の走破タイムより遅い事が度々あります。通常、ダービーの指数は110であり、500万は90ですからあり得ないのですが…そうです。ダービーが超スローペースならこれが現実に起こるのです。
よって、ダービーの指数を「スロー修正」する必要が生じます。
では実際にスロー修正の仕方を勉強します。ある日の芝レースの結果が下記の通りだとします。
1.500万戦 基準90 走破指数86
2.1000万戦 基準100 走破指数95
3.ダービー 基準110 走破指数84
この日の芝の馬場差を計算すると
1.90-86=ー4
2.100ー95=ー5
3. 110ー84=ー26
となり、この単純平均はー12になり、これをしんがり指数の計算式に当てはめると、この3レースの勝馬のしんがり指数は
1.86+12=98
2.95+12=107
3.84+12=96
となりますが…ダービー馬が500万戦勝馬馬より能力が低い事はほぼ無いので、この計算は間違いなのは明白です!
しかし、各レースのクラス基準と走破タイム指数を見て下さい。ー4.-5.ー26でダービーの結果だけが異常であり、指数で20ぶんスローペースであるとすると…ー4.ー5.ー6に修正出来ます。この平均はー5なので
1.86+5=91
2.95+5=100
3.84+(20)+5=109
となり、これが各勝馬のしんがり指数となります。これなら違和感はありませんね!
上の(20)の部分をスロー修正と呼びますが、ここが厄介です。各馬な過去のしんがり指数と比較して、正しく修正して下さい。私の修正は5単位…5.10.15.20.25…でスロー修正しています。
分かりましたか?これを芝とダート別々に計算します。まとめると
1.走破タイムを指数化する。
2.それをクラス基準と比較して差を出す。
3.スローペースのレースはスロー修正する。
4.平均値を出して、その逆数をその日の馬場指数とする。
以上